中央区西堀前通1番町
「ギャラリー蔵織」で
「日本の夏のしかけ(装置)・納涼展」が始まります。
猛暑の中、昔の人は納涼にどんなアイデアを持っていたのでしょう?
古のゆらぎの風と日本のあかりの世界です。
日本の夏のしかけ(装置)・納涼 展
夏に涼を呼ぶ、日本人の発想と工夫の足跡をご覧ください。
日本は江戸時代、鎖国という閉ざされた国の中で独自の遊び心あふれる自由な発想や、なんでもありの工夫を重ねて製品化し、ものづくりの基本としてきました。
幕末の開国、明治の文明開化により新たに西洋からも多くの情報や製品が入ってきました。それらを又見よう見まねで自分のものとして発展させる自由自在な発想は現在にも連なる日本のものづくりのルーツです。
製品の完成度は今一つであったり、あまり売れなかっただろう物たちの遺産を見ると、ここでも遊び心あふれる日本人の多様で柔軟な新しいものへの好奇心が顔を見せている。
日本人の優れた感性の一端を見るこれらの製品に触れてみてください。
動態展示可〇(見たい方には動かせてご覧に入れます)
風情ある凉とあかりを求めに「ギャラリー蔵織」にお出かけください。
お代はいりません(笑)
自動うちわ扇風機(自動豊国発風器)明治、国産
正式名称は「自動豊国発風機」とつけられた、まだ扇風機という名前が使われる前の時代のアイデア商品です。
取説に「発風装置(かぜをだすしかけ)」とあります。
機械はボンボン八角掛時計のゼンマイを二丁使っていて、差し込んだうちわをゼンマイの力で上下にあおいでくれます。
時計のネジ巻で機械動力のゼンマイを巻き上げます。
寄る年波で?パワーは弱ってると思われますが、まだ現役で、これも揺らぎのそよ風?を送ってくれます。 発想も姿、形も傑作です!
特許資料を見ると同様ないろんな発明がなされていることを知ります。
さしずめロボット君にあおいでもらってるような味気無さはあるでしょうが・・・? 凉はうちわに限るね~?…という団扇派にはお勧め!(笑)
特許資料はこちらにあります↓ 2013年月6月の記事
http://hikarataro.exblog.jp/20639420/
下、自動豊国発風機の取説
手巻きゼンマイ式扇風機 、明治、国産
明治20年代に蓄音機がエジソンにより発明されると、その動力源として、ゼンマイバネが発達し、モーターと呼ばれた強力なゼンマイが誕生しました。
こういった新にできた強力ゼンマイを動力として応用されたのがこの扇風機です。
蓄音機のターンテーブルの上にファンが付いて立っているような姿が原型を連想させます。モーターの力をファンに伝える軸受けやベアリングの伝動系は怪しげなものですが?
その後の電気扇風機のパワーとは比較になりませんが、それでも日本的な揺らぎの風?を結構長時間送ってくれます。
蓄音機のように右のハンドルを回して時々ゼンマイを巻き上げます。
国産の蓄音機メーカーの製品でしょう?
万年ホタル燈(電気スタンド)大正~昭和初期、国産
室内でホタルを鑑賞したい・・という人に、その気分にさせてくれる優れものです。
灯火器の仲間、補助照明に入るものでしょうか?
外観はドーム型のブリキの覆いの中に電球がセットされています。
円筒の外周には「つゆ草にホタルの絵」が描かれています。
一番外側には網が巻かれて虫篭のような風情です。
電球のスイッチを入れるとホタルの絵のお尻のところに小さな穴が開いていて、そこからかすかな光が漏れてきます。
その漏れ火が薄暗い空間で見るとまさにホタルの入った虫篭のように見えるから・・
あら、不思議~です!
これも、遊び心豊かな日本人が考えそうな仕掛けスタンドです。
夏限定商品でしょうが、電気を入れた時の驚きは感動ものです(笑)
現在開催中のトリックアート展にも勝るとも劣らない傑作ですね(笑)