「湊にいがた雛人形展」の旧小澤家住宅にはいろんな生花が皆さんの好意で飾られています。
花があると人形も部屋も生き生きと輝いて見えます。
そんな花にまつわる名脇役をご紹介しましょう。
■ 餅板 (もちいた)
「唐獅子牡丹の筒描の屏風」の前の丹波の甕のに生けられた花の台座に敷かれているのが
「餅板」です。
真っ黒い、厚い栃の木の一枚板で、荒らしい「ちょうな仕上げ」の跡や、いろんな傷跡がたくましく垣間見れます。
元々は県境の山里
「秋山郷」界隈で餅などに使われた古い調理板です。
本来の表は見えてない下側です。下側は使われていたため片栗粉で表面が真っ白になっています。
餅板は使わないときは天上裏に上げておくため長年の囲炉裏の煙にいぶされて裏側は真っ黒に日焼?しています。
厚く煤のこびりついたたくましい風貌は、こういった敷き台やテーブルなどに風格ある古材として活躍してくれます。特に都会では郷愁も有ってか、人気が高いようです。
こういう餅板は各地にありますが、真っ黒い味のものは少なく、また板に溝を掘って足を入れるため、裏返しにすると足が邪魔になって敷き板としては使えません。秋山郷のものは足が付いていない厚い一枚板であるためにひっくり返して裏側の真黒い、とろとろの世界?を愛でて楽しめるのです・・・。
たかが古板一枚・・・・されど味わい深いまっくろくろ介の世界です!(笑)
もう再現はできない、たくましい雪国の生活文化が生んだ遺産です。
もうひとつ人気のあったのが
一輪差しの花屏風でした。
これは我がスタッフのWさんにお願いして作ってもらったものです。
元々は大正から昭和初期に活躍した京都の華道・去風流七世家元・西川一草亭 (画家・津田清楓の兄)の考案になるデザインです。椿が良く似合います。