紅葉の中野邸美術館を見に行った折に久しぶりに隣の
「石油の世界館」を訪ねてみました。
新津金津が大油田で有った頃の新潟県の石油の歴史が学べる立派な産業史博物館です。
石油のルーツと云えば石油ランプです。明治の一時期、夜の日本列島がすべてランプのほのかな灯に彩られていた時代が有ったことすらもうすっかり忘れ去られています。
石油はまず灯油から始まったのです。精製技術の悪かっ時代ですから一晩ランプを点すと油煙でホヤが真っ黒になります、学校帰りの子供たちの遊ぶ前のまず第一のお手伝いがこのランプのホヤ磨きだったそうです。小さい手がホヤ磨きに適していたのです。そんな子供たちの憂鬱もその後を追っかけるように普及した電灯に追いやられてランプの時代は案外短いものでしたが、すべての部屋に電灯が普及するのはずっと後の時代で、戦後まで停電時やいろいろな場所で石油ランプは余生を送っていました。
文明開化の華とうたわれ、畳の目が見えると驚かれたランプのあかりも現代のLEDから見ればうす暗いものです。しかしそのともし火は
「あかりを点す」という言葉にふさわしいあたたかさが感じられて癒されます。時には明るい電気を消してあかりをともして見ませんか?
灯がともり始めました・・・ランプの高さ90cm
ランプは台ランプ、通称「座敷ランプ」と呼ばれ、畳の生活に適した高さを持っています。
台座は鋳物金属製、油壺は透明ガラスにカットが施されています。
グローブと呼ばれる丸笠は同じようなカットガラス(日本では切子ーきりこ)です。
明治の魅力的な国産のランプです。