石版画錦絵貼り込み吊灯籠(明治中期~後期)
7月31日~8月1日は上古町で「カミフル門前市」が開催され、7月31日の夜には「千灯まつり」として街灯照明を落とした上古町通と本町通に数千個の手作りの紙灯籠を並べて、ほのかなあかりで通りを包みました。日ごろ見慣れた街並も幻想的な灯がかもしだす心地よい、いやし空間になっていました。上古町通は「静」本町通は「動」の趣きで、上古町通の静謐な空間に上質な音がゆったりと流れる、魅力的な宵でした。
谷崎潤一郎は「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)の中で日本古来のうす暗い生活文化が日本人の美意識や文化を育てたと暗がりの持つ良さを繰り返し語っています。
「陰翳礼讃」は世界中で翻訳され、日本の文化論だけでなく、灯り(照明)のテキストにもなった名エッセーです。時には蛍光灯のフラットな灯を消して生活にやさしい灯を見直してみませんか?
上、上古町、下、本町